ISSCC2010参加レポート

 

東京理科大学大学院 理工学研究科 電気工学専攻

 兵庫研究室 修士二年 佐藤豪大

ISSCC

テキスト ボックス:  27日から211日にかけて、サンフランシスコマリオットホテルにてISSCC 2010が開催されました。演算増幅器設計コンテストの副賞として私は8, 9, 10日に行われたセッションに参加させていただきました。この3日間は午前(8:30)・午後(13:30)・夜(20:00)のスケジュールに分けられ、朝早くから夜遅くまで発表が行われました。決められたスケジュールに沿って、複数のセッションが並列に進められるため、どのセッションに参加するかは各自が判断することになります。全発表のレジュメが掲載された”Digest of Technical Papers”という厚い冊子を参加者は受け取ることができるので、どのセッションに参加するのかは、この冊子を参考にすると良いかと思います。

 

8:30

13:30

Feb. 8th

SESSION1: Plenary Session

SESSION2: mm-Wave Beamforming
& RF Building Blocks

Feb. 9th

SESSION:11 Radar, mm-Wave
& Low-Power Transceivers

SESSION17: Sensors & MEMS

Feb. 10th

SESSION21: Successive-Approximation
 ADCs

SESSION23: mm-Wave Transceivers,
Power Amplifiers & Sources

私は上の表に示すセッションに参加することにしました。大学院での研究内容がRFに関するものなので、主に高周波関連のセッションを選び、その他はDigest of Technical Papersを参考にして興味の持ったセッションに自由に参加しました。発表会場への途中の出入りは自由に行えるので、この表に記載したセッションだけでなく他のセッションの発表についても幾つか覗いてみました。

発表内容については、最初は自分の研究に近いものであればどうにか理解できるであろうかと思っていました。ですが、どの発表においても内容を理解しようと必死に聴いていましたが、ほとんど理解できずに次々とスライドがめくられていき、開始からしばらく経った頃には完全にレジュメを読みながら後を追いかける形になっていました。ただ、この三日間で今まで全く知らなかった多くの技術やアイデアに触れることができたので、今回学んだことは今後勉強をする上での大きなヒントになることと思います。

 

その他、ISSCCで特に印象に残ったことを紹介させていただきます。

■聴講者全員が熱心に発表を聴いている

全員が同じように真剣な表情でスライドに釘付けになっていました。休憩時には必ず周りで発表内容に関する議論を交わす光景が広がっており、また発表者に直接質問する方がいるなど必死に情報を吸収しようとしていました。

■世界的に有名な研究者が大勢参加している

参考書や論文などで有名な方々が一堂に会しているため、誰もが知っているような有名な方が会場を歩いていたり、セッションの間近くに座っていたりします。 Design of Analog CMOS Integrated Circuitsの著者Behzad Razaviの質問に日本の発表者の方が平然と答えていた場面が強く印象に残っています。

■会場が人であふれている

特にPlenary Sessionの直後は人であふれかえり、昼食へ向かう人の流れに身を任せる以外仕方がありませんでした。一昨年はさらに人数が多かったと伺い驚きました。

 

 

テキスト ボックス:  サンフランシスコ観光

サンフランシスコには26日から12日にかけて滞在させていただいたのですが、ISSCCに参加していない日はサンフランシスコ内を観光させていただきました。サンフランシスコの中心街界隈にたくさんの観光スポットが集中しているため、移動手段として主に徒歩やケーブルカーを利用していました。右図がケーブルカーの写真です。ケーブルカーに乗る際に5$支払い、降りたい場所に来たら自由にケーブルカーのステップから降りることができます。

 

滞在期間中の一日だけは徒歩やケーブルカーだけでなくレンタル自転車を利用して、長距離の旅をしました。サンフランシスコ観光をした報告として、この自転車の旅について書かせていただきます。

 

 


 

 

図にサンフランシスコの地図および観光の経路を示します。

当日はセッションの無い日でしたので、一日かけてゴールデンゲートブリッジ方面を訪れる計画を立てていました。滞在していたホテル「チャンセラーホテル」を午前10時ごろ出発し、徒歩でフィッシャーマンズワーフ周辺まで行き、その付近のレンタル自転車屋で自転車を借りることにしました。ゴールデンブリッジへのサイクリングコースは観光ガイドにも載っているので、その店内には他にも何名か自転車を借りる客がいました。

 

自転車に乗り、ゴールデンゲートブリッジを目指し西へ向かいました。青い芝生に囲まれた海沿いの道を暖かい陽の光と涼しい風を感じながら走ることは、今までに体験したことのないほど爽快なものでした。ゴールデンゲートブリッジへは自転車に乗ってから一時間程で到着しました。写真を見ていただけるとわかるように、当日は天候に恵まれ、橋の上から海を見下ろす絶景が広がっていました。橋の中間まで自転車で渡ったのですが、橋の途中にある鉄骨でできた柱は非常に大きく、真下から上を見上げると凄い迫力でした。

 

ゴールデンゲートブリッジ見学を終えた後は、図に描いたように南西へのコースを通り、ゴールデンゲートパーク内へ入りました。ゴールデンゲートパーク内は車の通りがあるものの、自転車が通るスペースが十分にあるため、車通りはそれほど気にすることはありませんでした。公園内では木や芝生や湖に囲まれながら気持ちよく走ることができました。オランダ風車、デ・ヤング美術館、日本庭園など、ゴールデンゲートパーク内をサイクリングしながら観光スポットに寄り道をすることができるため、少しも飽きることなくサイクリングを楽しむことができました。

 

その後は帰り道に迷うことなどがありましたが、地元の方々の助けもあり、夕方17時ごろに無事ホテルまで帰ることができました。サンフランシスコに訪れた方には、この自転車の旅を是非おすすめしたいと思います。

 

 

最後に

ISSCC 2010に参加させていただいたことで、大学院卒業後に回路技術者として働く上での良い刺激を得ることができました。これは演算増幅器設計コンテストの事務局の皆様、協賛されている企業の皆様のお力添えなしには決して経験することのできないものでした。この場をお借りして御礼申し上げます。また、同伴していただいた先生には、滞在するための様々なお世話やサンフランシスコ中心街のご案内をしていただきました。誠に有難うございました。